それまでの放射線の常識は、「放射能の害はその強さに直線的に比例する」と言われてきました。
そもそも何故放射線は微量でも危険なものとされていたのでしょうか?
それは、米国の遺伝学者H.J.マラー博士の研究によるものでした。
マラー博士は、ショウジョウバエのオスへのX線照射実験で得られていたデータに基づいて仮説を発表し、1946年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
このマラー仮説に基づき、世界の放射線学会は50年以上ににわたって全ての放射線の安全基準を設定してきました。
こういったこともあり、1982当時、NASAから依頼を受けて研究をしていたトーマス・D・ラッキー博士の論文は、当然のように無視され、主張はほとんど省みられないまま、片隅に埋もれてしまいました。
その状況を一変させたのがある日本の博士の行動である。
日本の電力中央研究所に勤めた経験のある、服部貞男博士です。
服部先生の起こした行動とは?
以下、服部先生の言葉です。
「たしかにそれまで従来の常識では考えられないデータを目にしていましたが、
若い頃から放射能は微量でも有害であるという教育を受けてきた私にとって、
たとえ微量でも放射能が身体に有益だなどというラッキー博士の総合的な主張は承服しがたいものでした。
とんでもない論文だと怒りを感じ、オークリッジ国立原子力研究所留学時代の恩師で旧友でもある、アメリカ電力研究所の理事長のフロイド・カラー氏に、
「ラッキー論文はまともな論文か?もし彼の主張が正しいとしたら、私がオークリッジで学んだことは何なのか?
アメリカとしてきちんとした回答が欲しい」と手紙を送りました。
この手紙を送ったことから、ワシントンのエネルギー省にまで話が及び、現在に至ります。
問題点としては、そもそもマラー博士が実験の対象として使っていたショウジョウバエのオスの遺伝子というのが、実は、
もともとDNAの修復機能を持たない細胞であったことです。
そのため微量な放射線でも尊書した細胞は修復されないまま残ってしまい、あのような実験結果になったのです。
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